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19.05.10
読了時間:10分
VCが投資するD2Cベンチャー紹介 第3弾
皆さん、こんにちは。FCPの宮澤です。最近、徐々に暑くなり、夏も近づいてきましたね!皆さんは夏の暑さに備え、しっかり体調管理されているでしょうか。さて今回は近年、国外の女性に人気のある美容関係D2Cベンチャーを紹介したいと思います。
基本情報
2013年にAmy Errett氏によって創立されたSoonicorn企業
調達金額:$121 million
ベース:サンフランシスコ
実績:サービス開始から3年で年商18億円突破 (Forbesにて紹介)
事業内容
パーソナライズされたヘアカラー剤の開発と販売
特徴
Madison Reedの特徴をならべる前に、ヘアカラーの現状を説明させていただきたい。現在、消費者がヘアカラーを行う方法として、代表的なのが美容室に行って行う方法と市販のヘアカラー剤を購入し、消費者自身で行う方法の2種類がある。美容室でのカラーは髪の毛の健康を考慮したカラーリングやトリートメントが受けられる一方で市販のカラーリング剤の数倍の値段がかかってしまう。そして、市販のカラー剤は安価な一方で、多くの化学素材を使用しており、髪へのダメージが大きいという現状がある。
①ヘアカラー剤にしては珍しいサブスク方式
従来のヘアカラーは上記の通り、美容室に行って美容師にカラーを行ってもらうか、薬局で安いカラー剤を購入するかの二択しかなかった。ヘアカラーは髪が伸びていくごとにカラーを行う必要があり、行わないといわゆる「プリン状態」になってしまう。しかし、市販のヘラカラー剤は繰り返し使うものとしての認識が薄く、一回限り使用する事を前提なので量が調整されずに販売されている。そこで、「プリンにならないように少しだけ染めたい」というニーズに答えられていない問題があった。しかし、Madison Reedはヘアカラー剤のサブスクを行う事で定期的に適量を使ったカラーを可能にしている。こうすることで、ユーザーは安く日頃から髪の毛のカラーリングが可能になった。(もちろん単体での購入も可能)
②比較的安価な価格帯でのトリートメント
ヘアカラーは多くの場合、ブリーチを行うため、髪に多大なダメージを与える事が多い。美容室では、厳選されたカラー剤を扱っている一方で、市販のカラー剤の数倍の値段がしてしまうのがペインであった。そこで、Madison Reedは自社が開発した低ダメージのカラー剤の販売に加え、専用のシャンプーとトリートメント剤もサブスクのパッケージを含んでいる。これにより、ユーザーは比較的安価に低ダメージのカラーリングを行う事が可能になった。
③自分の髪にあったトリートメントを推薦
市販のヘアカラーの弱点としてもう一つあげられるのが、カラーリング結果がパッケージと同じになりにくいところだ。人によって髪の色や質などは異なるため、市販のカラー剤を使用すると結果にばらつきが出てしまう。そこで、Madison Reedはカラー剤を買う前にユーザーに対してアンケートをとる事で、一番適したカラー剤をおすすめできるようにしている。
④専用アプリでユーザーのカラーリングをサポート
家庭でカラーリングを行う時の最大の不安点は、失敗する可能性があることだ。美容室であれば、美容師さんが時間などの管理を全てやってくれるので結果にムラが出ないが自分でやるとなると話は別だ。そんなユーザーの不安を取り除く為にMadison Reedは専用のアプリを開発した。このアプリは、カラーリングの時間管理や塗り方の指導など細かい手順までを細く説明してくれる。これによりユーザーは安心して、カラーリングを行うことができる。
⑤一般インスタグラマーを使った広告
多くの企業がアプローチをかけるインフルエンサーはフォロワー数10万人以上の「有名人」で広告の裏で多額のお金が動いている。これに対して、Madison Reedは「Madison Reed Influencer Program」として一般インスタグラマーにも、自分のページで収入を得る機会を提供している。登録されたインスタグラマーは無料で商品が送られ、それを自身でページで紹介する。そして、そのページからMadiosn Reedの購入ページに飛べるようにし、商品が購入されるたびに$10得られる仕組みになっている。
成功要因の考察
Madison Reedの成功要因として考えらるのが、主に二つの要因が考えられる。一つ目が、消費者に第3のヘアカラーオプションを提供した事だ。美容室と市販ヘアカラー剤の長所と短所を考慮したこの第3のメソッドはインターネットで買い物をする事に抵抗が少ない若年層の心を掴んだのだと思う。二つ目は、そのビジネスモデルだ。まず、マーケティングとして若年層に一番効果的な広告方法としてインスタグラムを活用をしたことで高いブランディングに成功した。また、ただオンラインで販売するだけでなく、サブスク方式にすることでアプリやアンケートなどのサービスが映え、消費者の継続的な利用に繋げっている。これは、多くのD2Cビジネスが目指している理想の形だが、これを実際にやってのけているMadison Reedのビジネスモデルは参考にすべき部分が非常に多い。
基本情報
2010年にKatia Beauchamps氏とHayley Barna氏によって創立されたSoonicorn企業。
調達金額:$90 million
本拠地:ニューヨーク
実績:2019年現在、アメリカだけ出なくイギリスやフランスなど計5箇所にHQを持つ。
事業内容
ブランドコスメティックの少量サブスクリプションサービス。
特徴
①取り扱いブランドが豊富
Birchboxのような化粧品サブスクリプションサービスは多数あるが、Birchboxの取り扱いブランドの数ほどのものはない。BrichboxはYSL Beautyなど女性に人気な有名ブランドから、あまり知られていないニッチなブランドまで、計300ブランド以上を取り揃えている。
②自分の肌やスタイルにあったパーソナライズ
Birchboxは毎月違うブランドの化粧品が試せるのが人気の理由の一つだ。しかし、これはランダムに選ばれてコスメではなく、ユーザーの嗜好にあった化粧品が届けられる。ユーザーはサブスク登録の際に、Beaty Profileを作成し、自分の肌の特徴や、化粧のスタイルなどを細かく選択する、そのProfileに応じて毎月違ったコスメが選択され、ユーザーの手元に届く仕組みになっている。
③徹底的なSNSの活用
現在、E-コマースにとってSNSの利用はマストになりつつある。そんな中でBirchBoxの利用方法は多くのサービスが参考にできるのではないだろうか。Instagaramのフォロワー数は60万人以上で1日に平均3投稿を徹底している。そして、インフルエンサーを対象に「Affiliate Program」を用意し、多くのユーザーをインスタグラムを通して獲得している。さらに運用の難しいYoutubeも活用している。動画の内容としては単なる宣伝活動ではなく、テレビプログラムのような企画を用意する事で視聴回数を伸ばしている。
(BirchboxのYoutubeページよりリンクを取得)
成功要因の考察
では、なぜ数ある化粧品D2CビジネスのなかでBirchboxは輝く存在になれたのであろう。まず、Birchboxがこのような類似サービスのパイオニアである事は大きい。2010年という早い段階からD2Cビジネスモデルに目を付け、それをコスメ業界にもちこんだことはコスメ業界に一種の革命をもたらしたであろう。事実、世界的女性雑誌のVogueでBirchboxは「 サブスクリプション型オンラインコマースのパイオニアとして知られるBirchbox」として紹介されている。そのパイオニアとしての称号が取り扱いブランドの数やVogueなどとのコラボレーションに繋がったのであろう。
今回は、美容関係のD2Cベンチャーを長々と二つ紹介させていただきましたが、実はまだまだ紹介しきれていない美容関係スタートアップが多数あります。今後、「VCが投資するD2Cベンチャー紹介 第3.5弾」と題して紹介させていただくので、乞うご期待下さい!
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