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VCが投資するD2Cベンチャー紹介


みなさん、こんにちはFCPの宮澤です。ベンチャーの最前線であるアメリカのD2Cビジネスを紹介するこの企画ですが、今回は皆さんの生活に一番関係のある、「食」に関するD2Cビジネスを紹介したいと思います。

(Food&Drug Conferenceの記事より)

基本情報
 
2012年にJosh Hix氏とNick Taranto氏によって創立されたSoonicorn企業。現在、米国のスーパーマーケット企業のAlbertsons の子会社となっている。
 
調達金額:$87 million
ベース:ニューヨーク
実績:2017年にAlbertsonsによって$200 millionで子会社化された。
 
事業内容
  • 健康を意識したすぐ料理ができる食材入り宅配キットの開発と販売。
特徴
①健康や自然を意識した食品選び
日本でも最近、健康を意識した食品選びが流行になっているが、アメリカでは健康だけでなく自然を意識した食品選びが話題になっている。そんな中、Platedは消費者にオーガニックや日本ではまだ注目度の低いサスティナブル・シーフードなど環境に優しい食品を自社のミールキットに採用している。

(Platedのコーポレイトサイトより引用)

 
 
②希望・目的にあったメニュー提供
メニューのカスタマイズにも力を入れてるのがPlatedの特徴だ。ユーザーは「ベジタリン向け」、「カロリー低め」、「1時間じっくりコース」などカテゴリーから選ぶ事ができる。しかも、すべてのメニューは有名なシェフによって提案されており週ごとにメニューはリニューアルするので飽きない。その上、人数にあったプラン設定ができるのでカップルからファミリーまで様々なユーザーに対応している。

(Platedのコーポレイトサイトより引用)

 
③Youtubeでのメニュー紹介
こういった、食材宅配サービスにおいてユーザーとしての不安としてあげられるのが、「ちゃんと作れるかどうか」であったり、「ちゃんと写真通りに作る事ができるのか」などの疑問だ。そこで、Platedはそういったユーザーの不安を取り除く為にYoutube上で、その週のメニューを作る動画をアップロードしている。こうする事によって、料理に自信がない人や宅配サービスに馴染みのない人に完成品のイメージをより具体的に持ってサービスを利用してもらえる。
 
 
成功要因の考察
Platedのようなミールキット販売サービスのアメリカ国内に複数あるが、Platedが注目されている要因として考えられるのは徹底的な環境と健康への配慮だろう。類似サービスの多くは、ダイエット目線のメニューなどを用意している事が多いが、食材までにこだわっているのはPlatedがダントツこだわっている。特に、調味料までこだわっているのは驚きだ。基本、多くのミールサービスは家庭にある調味料を使うが、Plated健康や自然に配慮した調味料をセットに同梱している。この徹底ぶりが健康思考や環境破壊を問題視するユーザーの心を掴んだに違いない。また、マーケティングの部分では、サービス開始地域をニューヨークに設定した事が勝因だ。ニューヨークはアメリカ国内で、流行の最前線と認識されており、近年健康や自然を意識した食生活がニューヨーカーの間で流行っている。その中で 、Platedのようなサービスはニューヨーカーにとって、まさに流行にのったサービスとして普及して行ったのであろう。
 
2.Freshly

(Everyday Healthの記事より引用)

基本情報
 
2012年にCarter Comstock氏とMichael Wystrach氏によって創立されてSoonicorn企業
 
調達金額:$107 million
ベース:ニューヨーク
実績:TopConsumerReview.comによって星5と格付けされた。
 
事業内容
健康を意識したいが料理をする時間がない人向けの冷蔵食品の開発と販売
 
特徴
①徹底的な健康意識
冷凍食品と聞くと日本では不健康なイメージを持つかも知れないが、Freshlyは徹底的に健康を意識したメニュー開発を行っている。まず注意してほしいのが、Freshlyが提供しているのは冷凍食品ではなく冷蔵食品だ。冷凍をさけることで食材の栄養分の減少を極端に抑える事ができている。また、“List of over 85 Banned Ingridients”として85個以上の使用禁止材料をかかげている他、すべてのメニューを栄養士と有名シェフが共同で開発しているため、味だけではなく栄養バランスもしっかり管理されたミールが提供されている。

(Freshlyコーポレートサイトより引用)

 
②フレキシブルなプラン
一概に「忙しい人」といっても様々なライフスタイルの人がいる。なので、Freshlyは様々なプランを提供している。基本1週間単位のサブスクリプションで最高1週間に12食までの冷凍食を無料で宅配してもらえるうえ、週によって量を変えたり、全く頼まず週をスキップする事ができるなど、柔軟にサブスクリプションできる事も人気の理由だ。

(Freshlyのコーポレートサイトより引用)

 
③具体的なメニュー紹介
確かに、FreshlyはPlatedのように目的別のミール提供を行っていないが、一つ一つのミールの紹介に力を入れている。料理全体の説明はもちろん原材料の産地やカロリーなどの栄養表示まで細かく、メニュー上で紹介されている。これによりユーザーは自分の好き嫌いや目的にそってミールを選ぶ事できる。

(Freshlyのコーポレートサイトより引用)

成功要因の考察
Freshlyの成功要因の一つとして、すでに調理されているミールさらに冷凍食品ではなく、冷蔵食品のサブスクという他にないサービスを提供している事ではないだろうか。確かに、食べ物のサブスクという観点すればPlatedとFreshlyのサービスは似ているように感じるかもしれない。しかし、この二つのサービスのターゲットは少しずれている。Platedのプランは基本二人からなので、複数人で一緒に食事をする事が前提になっているが、Freshlyは食材を買っている時間や料理をする時間のない、一人くらしのビジネスマンや学生が対象になっている。この記事を書いている宮澤を含め、多くの一人ぐらしをしている人の多くは健康の為に自炊したいと思っているが時間がなかったり、自炊をしても食材が余ってしまうことから、コンビニや外食で済ましてしまう事が多く、ファストフードが豊富なアメリカではなおさらのことだ。このようなニーズを発見し他の食品サブスクサービスとターゲットをずらし商品提供できているのがFreshlyの成功要因なのではないだろうか。
今回は、日本にはまだ上陸していないサービス2個を紹介しました。VCインターンを初めていろいろなサービスを拝見し、起業家さんたちのアイディアを形にする力に毎回驚いています。今回も一人暮らしをしている身として「Freshlyのようなサービスがあると自分の生活習慣をグレードアップできるような気がするな」と思いつつ、いままで様々起業家の方とお会いして、サービスを開始するのは簡単ではない事を実感しています。なので、FCPのVCインターン生として企業(特にシード)のサポートのため全力を尽くしていきたいです。
 
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