Blog

アメリカのトップVCが出資するベンチャー MaaS②編

みなさん、こんにちはFCPの宮澤です。今回は前回、私が書かせていただいたMaaSベンチャーを紹介する記事の後半として「カーシェア」、「宅配・輸送・物流」、「飲食系サービス」に着目して、アメリカのトップVCが投資するベンチャーを紹介したいと思います。

(Mellowの記事より引用)

まず、復習として、前回も使用させていただいた、MaaSカオスマップを参照してみよう。
 
前回は、「配車サービス」、「カープール」、「自動運転」を紹介させていただいた。今回は、「カーシェア」、「宅配・輸送・物流」、「飲食系サービス」のセクターを深堀していく。
 

(TUROのコーポレートサイトより引用)

設立:2009年
総調達額:$211 Million
有名投資者:Kleiner Perkinsなど
主な事業内容:個人間のカーシェアプラットフォームを運営
特徴:TUROはアメリカの大都市を中心にサービスを展開する、個人間カーシェアプラットフォームである。2009年にサンフランシスコでサービスをスタートして以降、空港が存在する都市を中心にサービスを拡大している。そんな、TUROには他のカーシェアリングサービスとは違う特徴を二つ持っている。
 
①受け取りの場所をユーザーが指定できる

(TUROのコーポレートサイトより引用)

多くのカーシェアリングサービスでは、ユーザーはクルマの受け取りを持ち主の駐車場や持ち主の指定した場所で行う。しかし、TUROではユーザーがクルマを受け取りたい場所を設定した上で、クルマを検索することができる。これは、TUROが観光客などに空港や駅などの場所からクルマを受け取れるようにしてあげたいと思ったことがきっかけでつけられた、特徴である。通常、観光客は空港や駅などの場所からクルマを借りることが多い、しかし受け取り場所が限定的なカーシェアサービスでは、空港などの受け取りができず、レンタカー業者に独占されてきた。しかし、TUROはそのような場所でもユーザーが指定すれば、クルマを受け取ることができるので、ユーザーは比較的安価に自分の好みのクルマを空港や駅のような場所で受け取れるようになった。
 
②高級車やスポーツカーが多い

(TUROのコーポレートサイトより引用)

「どうせ、借りるならいつも乗れないようなクルマに乗りたい」これは、多くの人がクルマを借りる時に思うことであろう。そんな、要望に答えるかのように、TUROではポルシェやBMWと言った、魅力的なクルマが掲示されている。通常のレンタカー業者では借りることが難しいようなクルマが多数あり、車名やモデルなどクルマを検索することができる上で、高級車レンタカー業者と比べても断然、値段がお得である。
 
(Postmatesのコーポレイトサイトより引用)
設立:2011年
総調達額:$ 678 Million
有名投資者:Founders Foundなど
主な事業内容:オンデマンドデリバリーサービスの運営
特徴:オンデマンドで商品のデリバリーや宅配を行ってくれるのがPostmatesである。通常、このようなオンデマンドデリバリーサービスはフードデリバリーで多く見られた。Uber EatsやGo-Jekのフードサービスがその代表例である。しかし、Postmatesが届けてくれる商品は食べ物だけでない、酒屋からお酒を運んでくれたり、スポーツ用品店からスニーカーを届けてくれたりと、かなり柔軟なオンデマンドデリバリーサービスを展開している。
さらに、Spotmatesは飲食業界とタッグを組み、新しいサービスを始めている。それが「Pick Up」だ。これは、飲食店(特にファストフード)での、テイクアウトの待ち時間を解消するために作られたサービスである。通常の飲食店では、イートイン・テイクアウト関係なく列に並びレジでオーダーしなければならない。しかし、Pick Upを導入した飲食店では、テイクアウトをする場合あらかじめスマートフォンのアプリで注文と決算を行うことができ、ユーザーはその飲食店に行けば、注文がすでに準備されている状態でピックアップ(受け取り)することができる。一見、MaaSに関係ないように見える、このサービスだがサービスが普及すれば、飲食宅配関係のMaaSに応用できる可能性は十分ある。

(Postmatesのコーポレートサイトより引用)

 

(NUROのコーポレートサイトより引用)

 
設立:2016年
総調達額:$1.03 Billion
有名投資者:Greylock Partnersなど
主な事業内容:地域コマース向けの自動運転宅配車の開発
特徴:「ロボット工学が生活に進出することを促進する」をモットーに自動運転を搭載した宅配車、Nuroを開発している。主に、食材や生活用品が運搬されることが想定され設計されているが、4つあるトランク内の棚を自由にとりはずしできる機能や温度調節などの機能を搭載することで対応できる商品の幅が広がるであろう。さらに、創業者の二人がGoogleの自動運転プロジェクト出身であることから、宅配車の安全面は重視されて設計されている。その安全への意識の高さはウェブサイトにNuroの安全性についてまとめた33ページのレポートがアップロードされているほどだ。創業車の二人によるとNuroは他の自動運転車両に比べて安価で提供できるように設計しているので、より多くの販売車にNuroを導入してもらい、近所で普通にNuroが走っている未来を目指したいと言っている。
 
以下がNuroの紹介動画だ。

(DOORDASHのコーポレートサイトより引用)

設立:2013年
総調達額:$1.98 Billion
有名投資者:Sequoia Capital, Kleiner Perkinsなど
主な事業内容:オンデマンドでのフードデリバリーサービス
特徴:数あるフードデリバリーサービスの中でDoorDashの特徴は受け取り場所が柔軟に設定できることだ。通常、登録された自宅の住所にしかデリバリーをオーダーすることができないサービスが多い中でDoorDashは、自宅以外にもパーティー会場や屋外の公園などにもオンデマンドでフードを運んでもらうことができる。さらに、リアルタイムでデリバリー状況が確認できるので、ユーザーは安心してサービスを使うことができる。このような、安心性から、確実にオンデマンドで料理を届けて欲しい、イベント主催者などにも人気である理由だ。

(DOORDASHのコーポレートサイトより引用)

以上が今回紹介するMaaS関連のベンチャーである。今回のリサーチで個人的に感じたことは、今回取り上げた「カーシェア」、「シェアパーキング」におけるアメリカの有名VCの投資事例が少ないことだ。実は、お気付きの方もいるかもしれないが、カオスマップにはまだ取り上げていないセクターとして「バイクシェア」と「シェアパーキング」がある。本当は、まだ取り上げていないセクターとして本記事で、紹介したかったのだが有名VCを調達先としているベンチャーが見つからず断念した。一方で、前回の記事で紹介した「自動運転」、「カープール」、「配車サービス」多くの、有名VCが投資している事例が見られた。また、今回紹介させていただいた。飲食関連のMaaSも有名VCに調達をうけているが、どれも投資時期から時間が経過しており、すでに成熟しつつあるセクターなのかもしれない。この考察からわかることは、一言に有名VCはMaaSに注目していると言っても、MaaSの中でも注目を受けているセクターとあまりされていないセクター、すでに成長投資が行われたセクターがあることだ。つまり、これからMaaSに注目していく中で有名VCの動向を参考にするならば、MaaSの中でも「自動運転」、「カープール」、「配車サービス」に注目するべきだということがわかった。
 
ご精読ありがとうございました。
 
今後もアメリカのトップVCが投資するベンチャーをあらゆる角度から紹介していくので是非、ご期待ください!
 
 
Facebook アカウントアカウント名: Full Commit Partners
 
Twitterアカウントアカウント名::@fcp_vc
 
Instagram アカウントアカウント名:@full commit partners
 
Facebook アカウントアカウント名:

Twitterアカウントアカウント名:

Instagram アカウントアカウント名:

シェア用リンク

Comments