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19.07.08
読了時間:13分
VCが投資する日本の花ベンチャー紹介
こんにちは!FCPインターン生の秋本です。みなさん、今年は母の日、父の日には何を送りましたか?花を贈った方が多いのではないでしょうか。今回は、私たちの生活を豊かにする「花」の業界と、フラワーTech関連のベンチャーを3社紹介します!
紹介するベンチャーは以下の3社である。
事業内容:花のオーダーメイド型EC事業
事業内容:切り花のサブスクリプションサービス「Bloomee Life」
事業内容:切り花のサブスクリプションサービス「FLOWER」
花き業界の市場規模
国内市場規模:1.1兆円
個人消費:0.8 兆円
業界消費:0.3 兆円
輸出額:91億円
輸入額:496億円
花き業界の市場規模は年々減少傾向にある。卸売り経由率は8割、競りの経由率は3割である。輸出については、海外プロモーションにより、ブレはあるものの着実に増加している。総輸出額91億円のうち、80億円を盆栽が占める。輸入については、昭和60年以降から増加しており、主にカーネーションなどの切り花類を仕入れている。
花き農家数は減少傾向にあるものの、生産者の年代構成をみると、45歳未満の若い農業者が多い。また、新規就農者の85%が野菜・果樹・花きを中心作物に選択することから、比較的人気のある農作物である。民間会社や生産者自らが行う育種が盛んである。
花き業界の課題
花き業界は、生産課題として、品種開発のコスト、燃料費などのエネルギー問題、輸出需要の小ささを抱えている。また、流通課題としては、ほとんどの花きが卸売りを経由すること、卸売りや競りの過程での温度管理が挙げられる。さらに、販売課題としては、販売額の減少や若年層の購入金額が低いことが挙げられる。これらの課題が商品ロスを引き起こし、花きの小売価格を吊り上げている。現在、花きの小売価格の約5割を経費が占めている。また、花きの主な購入層は、40代以降のITリテラシーの低い世代である。このため、ITテクノロジーを導入した新規事業の参入には、もっと低年齢層の需要を獲得することが重要である。
これらの課題の解決のために、農林水産省は消費促進と国産シェア復活を目指している。消費促進については、オフィス利用促進や花育の普及や花文化の啓蒙、観光やインテリアと結びつけたPRを行っている。国産シェア復活については、鮮度や日持ちを国産の強みとして捉え、卸売りまでのコールドチェーン確立や衛星管理に尽力している。
設立:2015年10月
主要株主:インクルージョン・ジャパン
資本金:1450万円
事業:花のオーダーメイド型EC事業
事業内容:
株式会社Sakaseruは、オンラインでオーダーメイドで花束を注文できるECサービスを提供している。価格は3000円から、フラワーデザイナーは自由に指名できる。
Sakaseruの強みは、オーダーメイドによる高いデザイン性によって花束に感動体験という価値を付けたことで、新たな購買層を生み出した点である。従来の贈答花には、高級であることを相手に伝える胡蝶蘭が多かった。一方、オーダーメイド花束では、花束に企業のロゴやイメージカラーを用いることによって、送られた側に感動体験を与え、祝いの気持ちを伝えることができる。例として、フリマアプリ運営会社mercariの上場祝いに送られた祝い花がある。このようなオーダーメイド花束は、企業だけでなく、ファンが俳優やアイドルの公演に送るスタンド花の需要にもマッチした。ファンは複数人でお金を出し合うので、高額注文が入る傾向にある。Sakaseruの調査によると、6割が1~5万円、2割が10万円以上の花束をプレゼントした。
設立:2014年
主要株主: SocialEntrepreneur2投資事業有限責任組合
KVPシード・イノベーション1号投資事業有限責任組合
朝日メディアグループファンド1号投資事業有限責任組合
資本金:1.3億円
事業内容:
Crunch Style株式会社が運営する花のサブスクリプションサービス「Bloomee Life」は、週あたり500~1200円で毎週末ポストに切り花が配送されるサービスである。届く花はランダムで、提携の花屋から直接配送される。本数は3~10本程度で、ミニインテリアとして利用できる。Bloomee Lifeは、Instagramや女性誌を用いたマーケティングに成功し、会員数は1.5万人を突破した。
Bloomee Lifeの強みは、豊かな暮らしをしたいというニーズを気軽な価格と手間で実現した点にある。Bloomee Lifeの調査によると、ユーザーの6割が花を触る習慣がなかったと回答している。また、会員制であるため、商品ロスが少ないことも強みである。
設立:2013年
主要株主: 経営陣 資本金:3100万円
事業内容:
ROLLCAKE株式会社が運営する花のサブスクリプションサービス「FLOWER」は、1配送あたり無料または500円で隔週でポストに切り花が配送されるサービスである。FLOWERは、iPhone向けアプリで展開されている。無料プランは、花代が無料のプランで、配送料のみで一輪の花が届く。一方、500円のプランは、花代500円と配送料でブーケが届く。2つのプランは、各配送ごとにアプリを通して自由に変更できる。どちらのプランも、届く花は選べる。
FLOWERの強みも、上述のBloomee Lifeと同様に、手
軽さである。FLOWERは、より低価格で、アプリによってより簡便なサービスとなっている。アプリを導入したことで、利用者はプラン変更や注文履歴の確認が簡単にできる。また、配送タイミングを通知することで、ポストの中で花が放置され、枯れてしまうことを防いでいる。
以上、3社を紹介した。すべてのサービスに共通するのは、新たな層を顧客として獲得した点である。Sakaseruは、オーダーメイドという付加価値、Bloomee LifeとFLOWERは気軽さが決め手となった。
現在、花の主な購入者は40代以降である。この年齢層の人々は、ITに対して抵抗感のある人が多い。ゆえに、花とITを結び付けた新事業の成功のためには、もっと低年齢層の需要を切り開いていくことが重要である。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。いかがでしたでしょうか。オーダーメイド花束やサブスクリプションサービス、私も利用してみたくなりました。サブスクリプションサービスですが、SNSで検索してみると、小さなお子さまに花を持たせて写真を撮っているものがありました。インテリア以外にも、生活を豊かにするいろいろな使い方があるのだなと思いました!フラワーTechベンチャー、今後も注目ですね。
Facebook アカウントアカウント名: Full Commit Partners
Twitterアカウントアカウント名::@fcp_vc
Instagram アカウントアカウント名:full commit partners
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設立:2015年10月
主要株主:インクルージョン・ジャパン
資本金:1450万円
事業:花のオーダーメイド型EC事業
事業内容:
株式会社Sakaseruは、オンラインでオーダーメイドで花束を注文できるECサービスを提供している。価格は3000円から、フラワーデザイナーは自由に指名できる。
Sakaseruの強みは、オーダーメイドによる高いデザイン性によって花束に感動体験という価値を付けたことで、新たな購買層を生み出した点である。従来の贈答花には、高級であることを相手に伝える胡蝶蘭が多かった。一方、オーダーメイド花束では、花束に企業のロゴやイメージカラーを用いることによって、送られた側に感動体験を与え、祝いの気持ちを伝えることができる。例として、フリマアプリ運営会社mercariの上場祝いに送られた祝い花がある。このようなオーダーメイド花束は、企業だけでなく、ファンが俳優やアイドルの公演に送るスタンド花の需要にもマッチした。ファンは複数人でお金を出し合うので、高額注文が入る傾向にある。Sakaseruの調査によると、6割が1~5万円、2割が10万円以上の花束をプレゼントした。
設立:2014年
主要株主: SocialEntrepreneur2投資事業有限責任組合
KVPシード・イノベーション1号投資事業有限責任組合
朝日メディアグループファンド1号投資事業有限責任組合
資本金:1.3億円
事業内容:
Crunch Style株式会社が運営する花のサブスクリプションサービス「Bloomee Life」は、週あたり500~1200円で毎週末ポストに切り花が配送されるサービスである。届く花はランダムで、提携の花屋から直接配送される。本数は3~10本程度で、ミニインテリアとして利用できる。Bloomee Lifeは、Instagramや女性誌を用いたマーケティングに成功し、会員数は1.5万人を突破した。
Bloomee Lifeの強みは、豊かな暮らしをしたいというニーズを気軽な価格と手間で実現した点にある。Bloomee Lifeの調査によると、ユーザーの6割が花を触る習慣がなかったと回答している。また、会員制であるため、商品ロスが少ないことも強みである。
設立:2013年
主要株主: 経営陣 資本金:3100万円
事業内容:
ROLLCAKE株式会社が運営する花のサブスクリプションサービス「FLOWER」は、1配送あたり無料または500円で隔週でポストに切り花が配送されるサービスである。FLOWERは、iPhone向けアプリで展開されている。無料プランは、花代が無料のプランで、配送料のみで一輪の花が届く。一方、500円のプランは、花代500円と配送料でブーケが届く。2つのプランは、各配送ごとにアプリを通して自由に変更できる。どちらのプランも、届く花は選べる。
FLOWERの強みも、上述のBloomee Lifeと同様に、手軽さである。FLOWERは、より低価格で、アプリによってより簡便なサービスとなっている。アプリを導入したことで、利用者はプラン変更や注文履歴の確認が簡単にできる。また、配送タイミングを通知することで、ポストの中で花が放置され、枯れてしまうことを防いでいる。
以上、3社を紹介した。すべてのサービスに共通するのは、新たな層を顧客として獲得した点である。Sakaseruは、オーダーメイドという付加価値、Bloomee LifeとFLOWERは気軽さが決め手となった。
現在、花の主な購入者は40代以降である。この年齢層の人々は、ITに対して抵抗感のある人が多い。ゆえに、花とITを結び付けた新事業の成功のためには、もっと低年齢層の需要を切り開いていくことが重要である。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。いかがでしたでしょうか。オーダーメイド花束やサブスクリプションサービス、私も利用してみたくなりました。サブスクリプションサービスですが、SNSで検索してみると、小さなお子さまに花を持たせて写真を撮っているものがありました。インテリア以外にも、生活
を豊かにするいろいろな使い方があるのだなと思いました!フラワーTechベンチャー、今後も注目ですね。
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